認知症は遺産トラブルにも直結する

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認知症による影響

 認知症はすべての記憶が失われるわけではありません。若いころ、つまり数年~数十年前の記憶は比較的保たれており、さっき話したこと、今日の出来事、昨日の出来事・・・といった最近の出来事(=短期記憶)を忘れやすくなります。そのため、繰り返し同じ話をしたり聞いたりしてしまうのです。この短期記憶の低下が著しくなると、どのような問題が生じるのでしょうか。

認知症の問題と対策

 問題として、財産の管理や把握ができなくなります。今、手元にあるお金だけでなく、これまでしっかりと預金などの財産を蓄えていても通帳の置場が分からない、どこに何をやったか分からないといったことになります。せっかくご自身の老後のため、子孫のために遺そうと思った財産や遺産も眠ったままになってしまう可能性があるのです。そのような結果にならないために、早めの生前整理をしたり、遺言書の作成をしたりすることが望ましいでしょう。

 また、認知力が低下すると意思疎通がうまくできず、ご自身で意思決定をすることが困難になります。老後はどうしたい、最期はどう過ごしたいといった希望を叶えるためにも、認知症だけではなくどの病気にも発症する前に、ご家族と共に思いの共有をしておくことが必須となるのです。

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