遺産分割方法のひとつ 換価分割
複数の人間が不動産を相続する場合、分割協議書を作成して、各相続人がどれだけの割合を相続するかということを証明しなければいけません。
不動産の相続は、現金とは違って物理的に分割することが難しいので、親族間のトラブルを避けるためにも、双方が納得できる条件で話し合わなければいけません。
ここでは「換価分割」のメリットやデメリット、そして注意点をまとめます。
換価分割とは
換価分割とは、物理的に分割することが難しい不動産を相続する際に、不動産の価値に見合う金額を現金化して、それを各相続人に支払うという方法です。
換価分割のメリット
換価分割は、仕組みがとてもシンプルでわかりやすく、相続の手続きを手早く終わらせたいという方にとっては、多くのメリットがあります。
細かい金額を指定することができる
相続する不動産をいろいろな項目で審査して、それによって算出された財産価値を換金して配当します。
そもそも不動産や土地というのは、細かく分割することが難しく、また道路に面しているかなどの細かい条件によっても価値が変わってしまいます。
そのため相続人同士で損得のトラブルに繋がりやすくなりますが、換価分割は現金を手渡すので、1円単位で調整をすることができます。
節税対策になる
基本的に、数ある財産の中でも不動産は価値が下がりやすいものだといわれています。
相続した後に不動産を売却すると、時価よりも相続税の評価額が低くなることが多いのです。
相続税については、不動産を形として保有していると資産総額が低くなるので、相続をした後に現金化をすることで節税効果を得ることができます。
換価分割のデメリット
不動産の売却に時間がかかる
不動産の売却には、最低でも半年、遅ければ1年程度の時間がかかるといわれています。
不動産を決めて、内覧や条件の交渉を行い、契約から引き渡しまでの時間を待つ。このように、不動産を売却するためには多くの手続きが必要となり、それに比例して売却が完了するまでにかなりの時間を要します。
確定申告が必要になる
換価分割には節税のメリットを説明しましたが、不動産を売却することで譲渡所得が発生します。
そのため、所得税や住民税がどれだけ影響するかということを事前に調べておく必要があるでしょう。
まとめ
不動産を売却して換金し、それを各相続人に分配するのでとてもわかりやすい相続方法と言えますが、時間がかかることや売却金額が相場よりも低くなるということも覚えておきましょう。