積極的治療と呼ばれる、抗がん剤の使用や手術を受けることによって病気に対して根本的な治療を受けてこられた患者さんが、今まで以上の治療の効果が期待できない状況になると、“緩和ケア”という治療方針を提案されることがあります。
緩和ケア
緩和ケアとは、積極的治療を行わず、主に病気に由来する苦痛や痛みを取り除くお薬を使いながら生活を送ることを指します。例えば、病気が進行してしまい手に負えない、治療を行っても効果が乏しいと判断された場合に考えられる選択肢の一つです。痛みを取り除くお薬は貼り薬や飲み薬、点滴など様々あり使用するお薬や量によっては入院せずに、ご自宅で過ごすことができます。
医師から緩和ケアを提案されたら、見捨てられたのではないか?と思われる方がおられます。積極的治療を行っても功を奏さないと分かっていて患者さんに治療を受けていただくことは、患者さんの体力を低下させてしまうばかりか治療費を多く払わせてしまうのです。
残念ながら病気に打ち勝つことは困難ではありますが、緩和ケアを提案されたからといって、病気に負けたとは言いません。
あなたを支える心強いサポーター
医師や看護師の他にもあなたを支える人たちがいます。
薬剤師
あなたに適したお薬を処方し、飲み方や薬に対する不安を丁寧に説明してくれます。
作業療法士
作業療法士とは、身体や心に障害のある人に対して、主に日常生活における作業(食事や着替え、排泄、入浴など)や社会的適応能力(家事や買い物、復職など)の回復のために、作業活動を用いて治療、援助する専門家です。
理学療法士
理学療法士とは、怪我や病気などで体に障害のある人、今後障害を被る日に対して、日常生活の行動から障害そのものの悪化予防のために、運動療法や物理療法などを用いてサポートするリハビリの専門家です。理学療法士の様な技術的なフォローを行なう様々な専門家がいます。
心理士
あなたの精神面をサポートします。
メディカルソーシャルワーカー
あなたやあなたのご家族に対して社会福祉の面からサポートします。
緩和ケアとは、“病気とともに”残された人生を過ごしていく考え方です。